俳句の作り方 冬麗とうれいの俳句
冬麗の不思議をにぎる赤ン坊 野澤節子のざわせつこ
とうれいの ふしぎをにぎる あかんぼう
冬麗が冬の季語。
「穏やかに晴れ渡り、春の『麗かうららか』を思わせるようなさまである。
寒さが続く中にこのような日が訪れると、冬の日差しのまばゆさが恵みのように感じられる。」
(俳句歳時記 冬 角川書店編)
冬麗の不思議をにぎる赤ン坊
冬麗の不思議をにぎる赤ン坊
句意を申し上げます。
厳しい寒さの中にふいに差し込むまばゆい冬麗の日差し。
不思議な気候の移り変わりを赤ン坊が小さな手の中にそっと握りしめていることよ。
私(作者)は冬の季節の中の冬麗と言う陽の光に心を奪われることがあります。
厳しい寒さが続くはずの季節にふっと訪れる柔らかな明るさ。
その光はただ暖かいというだけでなく、寒さと同居する季節の揺らぎを含んでいます。
その冬麗の光のなかで、私は赤ン坊の小さな手に目をとめました。
まだ世界の事を何一つ知らない手が、光の粒を握りしめているように見えた時、
私は思わず立ち止まりました。
季節の恵みを赤ン坊が受け止めているのだと思えたからです。
厳寒と眩い光。
それら二つが同じ冬の中に存在する美しさを赤ン坊の手が象徴しているように感じたのです。
その情景は季節の神秘そのものなのです。
冬麗の不思議をにぎる赤ン坊

無垢な赤ん坊の手が、季節の移り変わりの神秘さを受け止める。
感銘を受けました。